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ASANO PRIDE AS A CRAFTSMAN VOL.3 : HIROYUKI HARAVol.3 原 博之
品質保証では浅野社内で原の右に出るものはいない。設計図に目を通すと、そこに設計者の心を汲み取るという。おだやかな視線と語り口を通して、浅野の品質保証にかける流儀を語る。
品質保証部のビフォー、アフター
「2本線前情報」が品質保証の決め手
段取り八分という職人言葉がある。事前の準備をしっかりしておけば、その仕事は8割方完成しているという意味で使われる。仕事の成否は何事も事前の段取りが重要であるということだ。浅野における品質保証の仕事も部品づくりの前から始まる。2本線前情報と呼ばれる浅野独自の仕組みがそれにあたる。
浅野では仕事の段取り工程表を2本線で区切っている。いわばその段取り毎に部品の設計者であるお客様が求めているものを、先行情報として図面に盛り込む。原は語る。勿論、図面を忠実に再現することも大事だが、実際それだけでは設計者の意図を反映した部品に仕上がるとは限らないと。机上の仕事を現場の仕事に翻訳し、図面に隠された設計者の意図を反映することで、納品後に部品がよく機能するように製造部門に働きかける。
これまで先人が重ねてきたノウハウを体系化し、「過去トラ」をリスクヘッジする。続いて製造部門とともに作り方を確認して作業標準書をつくり、寸法の過不足による品質不良を未然に防ぐこと。以上が品質保証部のビフォーにあたる。
ビフォーを一言で「品質管理」*4というならば、アフターは、出荷品の確認・検査という「品質保証」*5という言葉に集約される。
原の流儀は妥協しないこと、これは会社全体の流儀にも重なる。品質の顔を自認する原にとって、ビフォーと同じくらいアフターにも妥協を許さない姿勢が、社内はもとよりお客様からの信頼を寄せている。