PROJECT.H VOL.2 : OSAMU KATOVol.2 嘉藤 修
飽くなき向上心の塊の嘉藤。
「技術の見える化」プロジェクトHにおけるF1カーのスケールモデル製作では、
入社以来の夢であった一台の自動車をオール浅野で完成させるという想いにまた一歩近づいた。
カーボン成形の担当としてプロジェクトに取り組んだ嘉藤の美しい表面加工を追い求める執念をご紹介しよう。
職人の美意識
更なる高みを求めて
Asanoマイスターの矜持にも登場した嘉藤。モータースポーツとその部品に興味があって入社した時から、今回の「技術の見える化」プロジェクトへのメンバー入りは運命づけられていたのかもしれない。F1カースケールモデル製作~プロジェクトHが終盤に向かうタイミングで行われた今回のインタビューで、嘉藤は悔恨の念を時折見せた。高い完成度を求める職人の美意識がそうさせるのであろう。
モーターショーと市販車の違いに話題が及んだ時に、その美意識が垣間見られた。「実はモーターショーに展示されている車両のフォルムが美しく見えるのは車高が低い為なんですよ。」と語る嘉藤。市販車は日本の車検規格で車高を上げざるを得ず、折角の美しいデザインが微妙に変化するという。
また輸入車、特に欧州車とすれ違った時にハッとさせられるのは、微妙な表面加工の賜物だという。神は細部に宿るというが、嘉藤も常に細部に細心の注意を払う。
高い完成度を求める嘉藤が、今回のF1スケールモデル製作で担当したのはCFRTP*1の成形だ。技術開発部に配属になる前は板金加工やCATIA*2 による設計で経験を積み重ねてきた。CFRTPは技術開発部に入ってから初めて経験した。彼は今回のF1スケールモデル製作でCFRTPの表面加工をもう一度やり直したいという。完璧を追い求める職人魂で、更なる高みを追い求める姿勢は嘉藤をはじめ㈱浅野の職人が築いた企業風土なのかもしれない。